土筆のような人 [こころ(思う事・感じた事)]
今日の朝は、少しでも草取りの手間を省こうと思い、家の周りに除草剤を撒いた。
まずは枯れた草を取り除く。
ふと家の壁際に大きい、土筆。。。
今年初めての土筆を見て、春だなぁ・・・と・・・
周りを見渡してもどこにも生えてないのに、どうしてこんな所に
それも妙に立派な土筆が何でここに生えているのかなとちょっと不思議に思った。
この土筆を見ながら、「そうだ少しだから、友達が言ってたように炒めものにしよう」
とふと思いつき、採った。
昨年、まめさんから聞いて土筆料理を初めて作った。
その話を友達(職業は保母さん)に話したら、「私なんか、子供達(園児)と散歩に行って、
土筆見つけたら、みんなで採って、お昼に炒めて子供達と食べるよ
全然苦くないアクなんか気にならないし、美味しいよ」と・・・
春を告げる土筆を握りしめ、楽しい気持になり、彼女の笑顔を思い浮かんだ。
家に入り、朝食を食べていた時である。
新聞を見ていた主人が、なにげに死亡広告覧を見て、彼女の名前を見つけた。
信じられなくて、私も確かめたけれど、やっぱりそうだったのである。
すぐ、会いに行ったけれど、もう二度と話せない彼女が棺の中で眠っている。
彼女は私より2歳下で、小学校の時から、そろばん塾が一緒で顔を知っていた。
焼物の仕事をして、陶芸教室に習いに来たのが25年くらい前で、とても気が合う。
22年前に展示室を開いてからは、展示会毎に、必ず買ってくれたファンでもあった。
なのでどれが新作なのか、ここが私の工夫ポイントという部分をすぐさま察知してくれる。
私の気持ちも作品も一番理解してくれる友である彼女は、
「家の中は、むつみ窯のミニギャラリーだよ」と笑って、いつも話していた。
毎回、展示会の時、おしゃべりするのも私たちの楽しみの一つであった。
近況報告をしたり、悩みを話したり、外国旅行や山登りの話を聞かせてくれたり・・・
春の山菜の時期には、彼女に連れられて朝一でカタクリの花を見ながら、筍を採った。
最近は、年間行事のようになって、「今年も行こうね」とつい1ケ月前に話していた。
とにかく、バイタリティーがあり、山歩きが大好きで、底抜けに明るい。
その彼女が、9年前、乳癌になり、初期の段階で自分で見つけ、すぐ手術した。
でも、性質が悪い乳癌なので、切っただけでは無理で、抗がん治療もずっと続けていた。
次の年に大腸癌で私が手術したこともあり、私たちは「自称、健康オタク」
と冗談交じりに話しながら、健康談議をしながら、いろんな健康食を試した。
何度も、自分で見つけては乳癌の手術をして、肝臓に転移しても前向き。
普通の人は3週間入院しての抗がん剤治療だが、彼女は抗がん剤に負けない体質らしく、
2時間かけて車で病院に行き、抗癌治療して、運転してまた帰って来る。
次の日もまた普通に仕事をして、食欲もモリモリで、とても病気とは思えない人だった。
私は、時々ネガティブになったりするので、いつも彼女から元気を貰って、励まされた。
独身なので、病気の説明をする時も、「誰か家族と一緒に来て下さい」
と先生に言われても、「自分の事なので、自分一人で大丈夫です」
と毅然とし、何でも一人で明確に判断し、こなして来た。
ちょっとくらい具合が悪くても、決して弱音を吐かない・・・
最後の最後まで、治ると希望を捨てず、頑張って来た人である。
とっても大切な友達を失くした事が、まだ信じられず、
今日は仕事をしながら、いろんなシーンを思い出してはひとりでに涙が流れて来る。
最近、私の傍から、友達がどんどん去っていく・・・
悲しみで、つい自分も一緒に往きたくなってしまう衝動にかられる。。。
とっても寂しくて、心の行き場がない。
突然の友の死。。。
「ゴールデンウィークにカタクリ見に行こう 竹の子採りに行こう
弘前の桜を朝一で見に行こうねって、この前言ったじゃない 約束守ってよ」
と、もう居なくなってしまった彼女に、怒りと悲しみの混じった気持で叫ぶ
涙が次から次へと流れて、どうしようもない。。。
ショックで、呆然として、何をしたらいいか、わからない。。。
朝に見た土筆が目に浮かぶ。。。
「自然の中で明るく、上に上に伸びようと頑張る土筆。
彼女は土筆のような人かも・・・」とふと思った。
最後に、縁の下のような場所で、にっこり微笑んで、
私に話しかけてくれたような気がした。。。
中学の時、友を事故で亡くしてから時は止まりました。
千葉に引越していたのですが、自転車で橋の欄干に激突して川に落ち頭を打って逝ってしまいました。
成田空港の工事の為その川は水が止められ川底が見えていたそうです。
もし工事がなければ友は水浸しになっただけでは?そう思うとなんか悔しくて。
それから何人も見送ってきましたが、生き残った者は精一杯生きないといけないと悟ったのは随分後になってからです。
つまんない話ですみません。
by pn (2011-04-14 22:49)
友人を亡くすことはつらいことです。
mutuminさんのこの悲しみを、友人を失った人たちはみな味わうことになるでしょう。
誰一人として、親しい人を失いたくはないです。
でも、死はどんな人にでも平等に一回やってくる。
だんだん周りの人が亡くなり、そして自分も去ることになるのです。
pnさんがおっしゃるように、生き残ったモノは精一杯生きなければいけません。
震災で家族を失った人もたくさん居ますよね。
おつらいでしょうが、みんなで頑張りましょう。
ほら、「頑張ろう日本」です!
by まほ (2011-04-15 00:54)
私の尊敬する人は60代で複数の友人に先立たれているのですが、散歩のときに「彼等と対話しながら歩く」と言っていました。みんなに忘れられた時が人の本当の死だから、大事な友人のことをそうやって忘れないでいるのだそうです。
まめさんが本当に死んでしまわないために、mutuminさんが長生きしていつも思い出してあげてください。カタクリも筍も桜も、彼女の分も見てあげて。
by palette (2011-04-15 06:12)
土筆料理・・・小学校の頃を思い出しました。私も川土手に行って探してみます。今日は暖かくなりそうですね!^^;
by ソニックマイヅル (2011-04-15 07:01)
また立派なつくしですね!
親戚では急に・・・というのはありましたが、友人は今のところまだで、
その時はどうなるのかと不安だったり。
人間ってもろいようで案外強いんですよね、つくしに見習わないと
いけないなぁと思ったりも。
by まめ (2011-04-15 07:29)
近所で見られる土筆は、ヒョロヒョロでこんなに立派ではありません。
私も仲が良かった同級生を見送る時は、涙が止まりませんでした。
mutuminさんのお友達は、若すぎる死でも濃い人生だったと思います。
病死も辛いですが、自殺はもっと悔やまれます。
どうして自分が力になれなかったか?
30年前に亡くした親友を、事ある毎に思い出しては残念です。
by 親知らず (2011-04-15 07:44)
お早うございます。
ツクシはまだ食べたことがありませんが春の味がするのでしょうか。
お友達の突然の死・・・ショックでしたね。
mutumin さんは春が来る度、ツクシを見る度にそのお友達と会話されることでしょう。こころの支えになって下さる思います。
by yakko (2011-04-15 08:47)
友達の死とてもショックですね。
私も今月の1日に友達を亡くしました。
彼は会社の同期で、同じ職場に配属された男子は二人だけでしたので、仲良くしていました。4,5年前に彼と立川で飲んだのが最後でした。家で突然倒れ亡くなったのです。彼は私とは正反対で背が高く、ハンサムで、無口で、一緒に入ったバトミントン部ではエース級でと、どれをとってもいい奴でした。性格が違うから長く付き合って行けたのかもしれません。
むつみんの友達と私の友達の冥福を祈ります。
by My life (2011-04-15 10:55)
pnさん・・・そうですよね。。。彼女の分まで、一生懸命生きなくては罰が当たりますよね。。。
「有難う、pn さん!」
by mutumin (2011-04-15 22:24)
まほさん・・・そうだよね。。。震災で家族を失った人もたくさん居るんだよね。。。
しゃんとしないとね・・・、「頑張ろう日本」、「頑張ろうむつみん!」だ! 気合!
by mutumin (2011-04-15 22:30)
palette さん・・・散歩のときに「彼等と対話しながら歩く」・・・気持わかります!私も、今日無性に外で花いじりがしたかったです。
自然の中にいたかったんです。
そして、友達と話をしたかったんです。
今年は、友達の写真を持って、カタクリの花見に行きたいです。
by mutumin (2011-04-15 22:35)
ソニックマイヅルさん・・・私は小学校の時、土筆を食べれるって知りませんでした。 ソニックマイヅルさん、凄い!
by mutumin (2011-04-15 22:37)
まめさん・・・これからですよ!まめさんは・・・
この頃、同世代の人が次々居なくなり、毎週のようにお通夜に言っています。今日は目が腫れぼったい!
by mutumin (2011-04-15 22:39)
親知らずさん・・・自殺だったら、本当にそうかも知れない。
反対に強く生きた人生を見せて貰って、学ぶべきところがいっぱいあり、良き友人を得られた自分は、幸せ者なのかも・・・
by mutumin (2011-04-15 22:42)
yakkoさん・・・楽しい人で、忙しい人だったから、「これから一緒に遊びに行こうよ!」って話していただけに、足を折られた気がしました。
きっと、天国から見てると思うわ!
by mutumin (2011-04-15 22:45)
My life さん・・・ My lifeさんもそうだったんですか?
同じ年代だと、本当に寂しくなります。
「天国で楽しく暮らせますように!」とお祈りしました。
My lifeさんも気を落とされませんように・・・
by mutumin (2011-04-15 22:49)